アジ切り包丁の最高峰|矢野鯵切「極」とは?

矢野鯵切「極(きわみ)」は、日本の熟練職人が一本一本手打ちで鍛造する黒打ち包丁に、青紙スーパーを使用した、矢野鯵切の最高峰モデルです。

アジをできるだけ気持ちよく、そして美しくさばくことを追求し、鋼材には青紙系の中でも特に高い硬度と耐摩耗性を持つ「青紙スーパー」を採用しています。

 

さらに、20cm前後の小型のアジから尺アジ、40cmを超える大型のアジまで一本で幅広く対応できるよう、刃渡りは165mmを採用。

一般的な出刃包丁と比べて薄めの刀身と両刃で仕上げ、アジを何匹も続けてさばく際にも取り回しやすい一本になっています。

また、矢野鯵切「極」は、鋼材をプレスで打ち抜いて大量生産する包丁ではなく、熟練の職人が一本一本手打ちで鍛造して作っています。

 

もちろん、この作り方は大量生産には向いていません。

一本の包丁を作るために手間も時間もかかるため、一度に作れる本数にも限りがあります。

それでも矢野鯵切が手打ち鍛造にこだわるのは、日本で昔から受け継がれてきた包丁づくりの技術や文化を、これから先の世代にも残していきたいと考えているからです。

 

効率や生産数だけを考えるのであれば、量産しやすい方法を選ぶこともできます。

しかし矢野鯵切では、たくさん作ることよりも、職人が一本一本手をかけて作る日本の鍛造文化を守り、次の世代へつないでいくことを大切にしています。

そのため、量産性よりも「伝統と文化を残すこと」を優先し、職人による手打ちの黒打ち包丁という作り方を選んでいます。

 

矢野鯵切包丁は、ただ単純に「よく切れる高級な包丁」を作りたかったわけではありません。

アジングでたくさんのアジを釣った日でも、家に帰ってから「これ全部さばくのか……」と感じるのではなく、包丁を手に取ること自体が楽しみになる。

アジの身に刃を当てるとスッと入り、次々と気持ちよくさばいていく。

そして使い終わった後は、自分で手入れをし、研ぎながら少しずつ自分の一本へ育てていく。

そんな長く付き合える包丁を目指して作ったのが、矢野鯵切「極」です。

矢野鯵切「極」はこんな方におすすめ

矢野鯵切「極」は、特に切れ味と刃持ちを重視する方におすすめです。

・青紙スーパーならではの鋭い切れ味を味わってみたい
・一度に何匹ものアジをさばくことが多い
・20cm前後から40cmを超える大型のアジまで一本で対応したい
・研ぎや手入れをしながら包丁を育てていきたい
・長く使える一本を、一生の相棒として持ちたい

このような方には、特におすすめのモデルになります。

一方で、青紙スーパーは非常に硬い鋼材になるため、研ぎやすさを最優先する方には、青紙2号を使用した矢野鯵切「スタンダード」の方が扱いやすくなります。

「極」は、多少手入れに時間をかけてでも、切れ味や刃持ちをできる限り重視したい方に向けたモデルです。

鋼材に最高峰の「青紙スーパー」を採用

矢野鯵切「極」の最大の特徴のひとつが、芯材に青紙スーパーを使用していることです。

青紙スーパーは、非常に高い硬度と耐摩耗性を持ち、刃が摩耗しにくいため、鋭い切れ味が長く持続しやすい鋼材です。

その一方で、その硬さゆえに製造難易度は非常に高く、扱う職人にも高い技術が求められます。

 

そのため、製造をお願いしている工房の中でも、限られた熟練の職人しか製作することができない、希少なモデルになります。

アジングやサビキ釣りでは、一度に10匹、20匹、それ以上のアジを持ち帰ることもあります。

 

そんな時、最初の数匹はよく切れていても、途中から切れ味が落ちてくると、魚をさばくこと自体がだんだんストレスになってきます。

その点、切れ味が長く持続しやすい青紙スーパーは、何匹ものアジを続けてさばくような使い方と相性の良い鋼材です。

 

私自身、最初に青紙2号の矢野鯵切を使った時にも、十分すぎるほどの切れ味を感じました。

 

しかし、その後に青紙スーパーの矢野鯵切「極」を使った時は、その圧倒的な切れ味に驚きました。

食材に刃を当てた瞬間、抵抗感が少なくスッと刃が入っていく。

そして、切った刺身の美しい切り口を見て感動する。

 

切るたびに、その切れ味と仕上がりの美しさを感じられるからこそ、包丁を使うことそのものが楽しくなる。

その感動を味わえたことも、「極」を最高峰モデルとして位置付けている理由のひとつです。

この包丁で切った刺身の味は別格に美味い

そして、初めて矢野鯵切「極」で切ったアジの刺身を食べた時には、さらに驚きました。

鋭い刃がスッと入ることで、柔らかいアジの身を潰しにくく、切った刺身の角がきれいに立ち、断面にはツヤが出ます。

実際に切った刺身を見ると、断面が滑らかで艶々としており、見た目から違いを感じるほどです。

そして驚いたのは、刺身の見た目だけではなく、食べた時の味の美味さにも衝撃を受けました。

 

私自身、青紙2号の矢野鯵切「スタンダード」で切った刺身でも十分に美味しいと感じていました。

しかし、初めて青紙スーパーの「極」で切ったアジの刺身を食べた時は、食感や舌触り、口に入れた時の印象の違いに驚きました。

「包丁の切れ味だけで、同じアジでもここまで食べた時の印象が変わるのか」

それを実際に体験したことも、矢野鯵切「極」の切れ味に大きな魅力を感じている理由のひとつです。

 

魚をさばくためだけではなく、最後に刺身として口に入れるところまで楽しむ。

包丁の切れ味によって、刺身の仕上がりや食べた時の印象が変わる。

その違いまで体験していただきたいと思っています。

小型から大型のアジまで対応する165mm

矢野鯵切「極」の刃渡りは165mmに設計しています。

これは、一般的なアジ切り包丁として考えると、少し長いと思われるかもしれません。

ただ、この165mmを採用している理由は、小型のアジだけではなく、尺アジや40cmを超える大型のアジまで、一本で幅広く対応しやすくするためです。

刃渡りが短くなるほど小回りが利きやすく、小型のアジを中心にさばく場合には取り回しやすくなります。

 

一方で、魚が大きくなり身幅が広くなるほど、ある程度刃渡りが長い方が刃を入れやすく、作業もしやすくなります。

 

その中で165mmは、20cm前後のアジにも使いやすい取り回しの良さを残しながら、尺アジや40cmを超える大型のアジまで一本で対応しやすい長さです。

季節やポイントによって釣れるアジのサイズは変わりますが、小さいサイズから大きいサイズまで一本で幅広く対応できることが、165mmモデルの大きなメリットになります。

舟行に近い形状と5:5の両刃設計

矢野鯵切「極」は、昔から魚をさばく用途にも使われてきた「舟行」に近い形状を採用しています。

舟行は工房やメーカーによって刃の形状や厚み、刃幅などに違いがありますが、矢野鯵切もその系統に近い、取り回しのしやすい形状になっています。

また、一般的な出刃包丁と比べて刀身を薄めにし、右利き・左利きを問わず使いやすい5:5の両刃で仕上げています。

 

私自身、以前は「魚をさばくなら出刃包丁」というイメージを持っていました。

しかし、20cm前後のアジを厚みと重量のある出刃包丁でさばいていると、柔らかい骨を切った勢いのまま、反対側の身まで刃が入ってしまうことがありました。

その点、薄めの刀身と両刃の組み合わせは、小型のアジでも細かな包丁操作がしやすく、何匹ものアジを続けてさばく際にも取り回しやすいのが特徴です。

 

さらに、5:5の両刃には、右利き・左利きのどちらでも使いやすいというだけではなく、使いながら自分好みの刃へ育てていく楽しさがあります。

最初は5:5の両刃でも、自分で研ぎながら使い続けることで、少しずつ自分の利き手や使い方に合わせて刃付けのバランスを調整していくことができます。

包丁は買った時が完成ではありません。

使って、研いで、また使う。

手入れを重ねながら長い年月をともにすることで、少しずつ自分の手に馴染んだ一本へと育っていきます。

こうして自分だけの包丁へ育てていくことも、矢野鯵切を使う楽しみのひとつです。

切先を守る「落とし」の加工

青紙スーパーは非常に硬い鋼材である一方、その硬さゆえに刃先へ強い衝撃が加わると、欠けに注意する必要があります。

特に包丁の先端にある切先は、ふとした衝撃によって傷みやすい部分です。

そこで「極」には、切先の角をわずかに落として耐久性を持たせる「落とし」という加工を、一丁ずつ施しています。

 

せっかく手に入れた包丁だからこそ、一時的な切れ味だけではなく、できるだけ長く使ってもらいたい。

そのために加えられている、職人さんのひと手間です。

黒打ち仕上げと胡桃の八角柄

刀身には、日本の伝統的な包丁づくりの風合いを残した黒打ち仕上げを採用しています。

黒打ちならではの無骨な刀身と、「極」の柄に使用している天然の胡桃の落ち着いた木目が合わさることで、一本の道具として独特の存在感があります。

 

柄の形状には八角柄を採用。

 

八角柄は指が掛かりやすく、魚を扱って手が濡れている時にも握りやすい形状です。

また、握った時に刃がどちらを向いているのか感覚的に把握しやすいため、骨に沿って包丁を入れていくような細かな作業にも向いています。

さらに、黒打ちの風合いや胡桃の木目は、一本一本同じではありません。

 

職人による手仕事と天然素材を使っているからこそ、それぞれの包丁に異なる表情があります。

大量生産された製品にはない、その一本だけの個性も、手打ちの黒打ち包丁を持つ楽しみのひとつです。

包丁作りの伝統と文化を後世に残すために

冒頭でもお伝えした通り、矢野鯵切「極」は、プレスで鋼材を打ち抜いて大量生産する包丁ではありません。

熟練の職人が一本一本、手打ちで鍛造して作っています。

そのため、大量生産品のように短期間で何百本、何千本と作ることはできません。

一本を仕上げるまでに時間と手間がかかり、生産できる本数にも限りがあります。

 

しかし、矢野鯵切では、その効率の悪さも含めて、この作り方を大切にしたいと考えています。

日本には、鋼を鍛え、焼きを入れ、研ぎ上げ、一本の包丁へ仕上げていく伝統的な鍛造技術があります。

しかし、こうした技術は職人がいなくなれば、それとともに失われていきます。

だからこそ矢野鯵切では、単純に「たくさん作れるか」「効率よく作れるか」ということよりも、日本で受け継がれてきた手打ち鍛造の技術や文化を残し、次の世代へつないでいくことを大切にしています。

 

量産性よりも、伝統と文化を守ることを優先する。

その考えから、矢野鯵切は職人が一本一本手打ちする黒打ち鍛造という作り方を選んでいます。

自分のもとに届いた一本を使い込み、研ぎながら育て、長く使い続けていく。

包丁そのものだけではなく、その背景にある日本のものづくりまで含めて大切にしていただければと思っています。

釣ったアジを「旨くさばいて食べる」そして包丁を育てるまで楽しんでほしい

私が矢野鯵切を作った理由は、単純に高級な包丁を販売したかったからではありません。

釣ったアジを、できるだけ美味しく食べてもらいたい。

そして、釣るだけではなく、さばくところまで楽しんでもらいたい。

さらに、日本で昔から受け継がれてきた包丁づくりの技術や文化を、これから先の世代にも残していきたい。

そんな思いがあります。

 

たくさん釣れた日の帰宅後に、クーラーボックスいっぱいのアジを見て「これ全部さばくのか……」と思う。

これはアジ釣りをしている方なら、一度は経験したことがあると思います。

 

しかし、自分の気に入った切れ味の良い包丁が一本あるだけで、その時間は少し変わります。

アジに刃を入れ、次々と気持ちよくさばいていく。

そして、自分で釣ったアジを、自分の包丁でさばき、美味しく食べる。

使い終わった後はきれいに洗い、水分を拭き取り、切れ味が落ちてきたら砥石で研ぐ。

そうして何年も使い続けることで、包丁は少しずつ自分の手に馴染み、自分だけの一本へと育っていきます。

私は、こうした「道具を大切に使い、手入れをしながら長く付き合っていく」という文化そのものも、残していきたいと考えています。

職人が一本一本手打ちで鍛造した包丁を、使う人が大切に手入れしながら育てていく。

そして長い年月をともにし、いつかその一本が次の世代へ受け継がれていく。

そうすることで、包丁そのものだけではなく、その背景にある日本の職人技やものづくりの文化も、一緒に次の世代へつないでいくことができると思っています。

釣る、さばく、食べる。

そして、道具を育てる。

日本の職人が受け継いできた技術と文化を、次の世代へつないでいく。

そのすべてを楽しみ、大切にしてもらうために作ったのが、矢野鯵切「極」です。

矢野鯵切「極」製品スペック

・商品名:矢野鯵切「極(きわみ)」
・刃渡り:約165mm
・鋼材(芯材):青紙スーパー
・刃の形状:両刃(右利き・左利き兼用)
・仕上げ:伝統工芸 黒打ち
・柄:胡桃 八角合板鍔(ワックス仕上げ)
・重量:約123g(個体差があります)

※職人による手打ち鍛造および天然木を使用しているため、黒打ちの風合いや柄の木目、色合い、重量などには個体差があります。

使用する際の注意点

矢野鯵切「極」は、アジを中心とした魚を気持ちよくさばくために、切れ味と使いやすさを重視して作っています。

そのため、大型のタイなどの非常に硬い頭を叩き割ったり、太く硬い骨を力任せに断ち切ったりする用途には、厚みのある出刃包丁の方が向いています。

 

また、素材には鋼を使用しているため、ステンレス包丁と比べると錆びには注意が必要です。

使用後はできるだけ早く洗い、水分をしっかり拭き取って保管することで、長く使いやすくなります。

特に青紙スーパーは硬度が高いため、自分で研ぐ場合は青紙2号などと比べて少し時間がかかります。

しかし、手入れをして研ぎながら使い続けることも、この包丁を自分の一本へ育てていく楽しみのひとつです。

まとめ|矢野鯵切「極」一生の相棒として育てていく一本

矢野鯵切「極」は、青紙スーパーを使用し、20cm前後のアジから40cmを超える大型のアジまで幅広く対応できるよう165mmで仕上げた、矢野鯵切の最高峰モデルです。

さらに、効率を優先して大量生産するのではなく、日本の職人が一本一本手打ちで鍛造し、黒打ち包丁として仕上げています。

 

青紙スーパーはその硬さゆえに製造難易度も高く、製造をお願いしている工房の中でも、限られた熟練の職人しか製作することができない希少なモデルです。

 

ただ、私がこの包丁で一番伝えたいのは、スペックだけではありません。

自分で釣ったアジを、自分の気に入った包丁でさばいて食べる。

 

そして、その包丁を自分で研ぎ、手入れしながら何年、何十年と育てていく。

 

長く使った一本には、傷や研ぎ跡も含めて、自分が使ってきた時間が刻まれていきます。

そして、いつか自分が大切に使ってきた包丁を、子どもや孫へ受け継いでいく。

それと同時に、日本で昔から受け継がれてきた職人の技術や鍛造文化も、次の世代へ残していく。

自分とともに育ち、家族とともに時間を重ね、文化とともに次の世代へ受け継がれてほしい。

そんな思いで、この矢野鰺切「極」を作りました。

矢野鯵切「極」が、あなたの一生の相棒になってくれればと思っています。

矢野鯵切「極」の販売案内について

矢野鯵切「極」は、日本の熟練職人が一本一本手打ちで製作しているため、量産品のように一度に多くの本数をご用意することができません。

そのため、矢野鯵切「極」に興味のある方には、事前に案内登録をしていただき、販売の準備が整い次第、登録いただいた方へご案内しています。

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